<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<rss xmlns:content="http://purl.org/rss/1.0/modules/content/" xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/" xmlns:sy="http://purl.org/rss/1.0/modules/syndication/" xmlns:atom="http://www.w3.org/2005/Atom" version="2.0">
  <channel>
    <title>赤いはりねずみ</title>
    <link>https://rotenlgel.kashi-hondana.com</link>
    <description>赤いはりねずみ・小説更新情報</description>
    <atom:link href="" rel="self" type="application/rss+xml"/>
    <sy:updatePeriod>hourly</sy:updatePeriod>
    <sy:updateFrequency>1</sy:updateFrequency>
    <copyright>Copyright ©2026 山田英人.</copyright>
    <ttl>60</ttl>
    <item>
      <title>第21章(最終章）　  ヴ  ァ  ル  プ  ル  ギ  ス  の  夜 - 幻想交響曲（下巻）</title>
      <link>https://rotenlgel.kashi-hondana.com/author/page/2843/section/38148</link>
      <pubDate>Sat, 06 Jun 2026 01:22:00 +0900</pubDate>
      <description>ウィーから帰国した高志のその後。
精神科病棟に入院し、どうなるのか。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　フーガは父、村科賢治の死を知った時にいたウィーンのレストラン、つまり沖本高志とエリカを招いて食事をしたレストランの同じテーブルに座っていた。
　あれから一週間が経っていた。
　その間、ウィーン人の妻と一緒に日本へ帰国して、喪主として父の葬儀を取り仕切ってきたのだった。
　ウィーンを留守にしている間は、診療を休診にしていた。家にはジークムントという老猫がいたが、そのお世話を高志に頼んでいた。
　実際には、エリカが面倒をみてくれていたのだろうが、今日は高志だけレストランに招待
していた。
　高志との待ち合わせまで、まだ少し時間があった。フーガが早く来すぎたのではない。
　意図して早く来て、考え事や高志に話す内容を整理していたかったのだ。

　村科賢治の葬儀は、故人の希望で密葬にする予定だった。だから一番思い出深い土地である長野の、故人が住んでいた家でひっそりと見送り、故人ゆかりの教会で葬送の...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>第20章　　ウ ィ ー ン の レ ス ト ラ ン に て - 幻想交響曲（下巻）</title>
      <link>https://rotenlgel.kashi-hondana.com/author/page/2843/section/38147</link>
      <pubDate>Sat, 30 May 2026 09:42:00 +0900</pubDate>
      <description>ウィーから帰国した高志のその後。
精神科病棟に入院し、どうなるのか。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　古い格式あるレンガ造りのレストランに彼らはいた。大通りの見える窓側にあるテーブル席に、フーガと向き合って高志とエリカが並んで座っていた。
「プロースト！」（乾杯！）
　少し間を置いてフーガが言った。
「本当にお疲れ様でした。そして、ありがとう。特にエリカさんには感謝しています。今回は、当事者とは無縁のエリカさんにまで、私どもの計画に巻き込んでしまって、とても申し訳なく思っています。父に代わって心より感謝します。」
　エリカはフーガの前で恐縮した。
「いいえ。私こそフーガ先生とこうして出会え、とても貴重な体験をさせて頂き、本当にラッキーでしたわ。」
　エリカの隣に座っていた高志が言った。
「フーガ先生、今日はエリカにまでこのような素敵なレストランにお誘い頂きまして有り難うございます。」
「とんでもない。これは私からのささやかな感謝の印です。もう私が勝手にディナー・コースを用意させていますが...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>第19章　   　甲 　斐　 邸　 に　 て - 幻想交響曲（下巻）</title>
      <link>https://rotenlgel.kashi-hondana.com/author/page/2843/section/38146</link>
      <pubDate>Sun, 24 May 2026 08:29:00 +0900</pubDate>
      <description>ウィーから帰国した高志のその後。
精神科病棟に入院し、どうなるのか。</description>
      <content:encoded><![CDATA[「本当にご苦労様。飛騨牛は有名ですが、長野にも美味い牛肉はありますよ。久々のご馳走でしょうから遠慮なく召し上がってください。」
　甲斐朗は笑いながらそう言って、高志のグラスにビールを注いだ。
「ああ、恐縮です。では最初の一杯だけ頂き、この後はウィーン流で、お互いに手酌でいきましょう。」
　高志はそう言って、瓶を受け取ると甲斐の妻、めぐみのグラスにビールを注いでから甲斐朗のグラスに注いだ。
　甲斐朗が楽しそうに言った。
「では、乾杯。」
　少しの沈黙の後、甲斐朗が続けた。
「あ～、旨い。沖本さんとこうしてゆっくりと飲みたかったのですよ。本当にお疲れ様でした。結局二ヶ月掛かりましたね。これで何とか目処がたったと思いますよ。直ぐにエリカさんは退院出来るし、久内さんもフーガさんたちが首尾よく手段を講じていると思います。だから安心してください。」
　すると、めぐみが言った。
「本当にごめんなさいね。...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>第18章　　二　通　の　手　紙 - 幻想交響曲（下巻）</title>
      <link>https://rotenlgel.kashi-hondana.com/author/page/2843/section/38145</link>
      <pubDate>Sat, 16 May 2026 08:41:00 +0900</pubDate>
      <description>ウィーから帰国した高志のその後。
精神科病棟に入院し、どうなるのか。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　高志が初めて久内守と接触出来た一週間後の月曜日、その日の屋外散歩で再び彼とコン
タクトがとれた。その短い時間の中で聞いた話は、高志をとても驚愕させた。
　部屋に戻った高志は、早速に甲斐朗宛てに手紙を書いた。勿論、病院から検閲される事
を覚悟の上で、それを熟慮しながら記した。

『前略
　甲斐叔父さん、お元気ですか？
　私は病院での回復へのプログラムを行いながら、心身共にとても元気になりました。
　実は、今までずっと進展の無いまま、暗闇のような日々を過ごしていました。ですが時間が掛かりましたが、一ヶ月を過ぎてからやっと調子が出て参りました。ですから、こうして叔父さんにも報告が出来るようになりました。どうぞ、ご心配なく安心してください。きっと私たちの音楽の神様が、最高の状況に導いてくれるでしょう。
　最後にお願いがあります。
　私がウィーンでお世話になっていた先生に、一度挨拶の手紙を送りたい...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>第17章　　早　朝　の　屋　外　散　歩 - 幻想交響曲（下巻）</title>
      <link>https://rotenlgel.kashi-hondana.com/author/page/2843/section/38144</link>
      <pubDate>Sat, 16 May 2026 06:25:00 +0900</pubDate>
      <description>ウィーから帰国した高志のその後。
精神科病棟に入院し、どうなるのか。</description>
      <content:encoded><![CDATA[ 待ちに待った日がやって来た。高志にとって初めての屋外散歩だ。
　昨日行われた週一回の診療時に、田中医師より散歩の許可を貰ったのだ。
　因みに診療内容だが、入院以来週一回で五度の診察があった。だが、高志が期待していたイップスが改善するような診療をして貰ってはいない。それはそうだろう。田中医師の診療に於いては、彼の口からイップスに関する言葉など一文字も出た事はなかった。
　入院する時に、彼は高志に言った。
「イップスについて一緒に考えましょう。」と。
　だが田中医師はとっくに忘れているのだろう、と高志は彼に不信感を抱いていた。
　田中医師の診療でいつも言われたのは、高志の身体の健康を気遣う者なら誰もが発するであろう言葉の羅列であった。
「もうお酒は止めてください。そうすれば、またいい演奏が出来るようになります。もう一度ウィーンに帰って演奏活動を始めたいのなら、しっかりとこの病院のプログラムに...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>第16章　 デ  ィ  オ  ニ  ソ  ス  ・  ノ  ー  ト - 幻想交響曲（下巻）</title>
      <link>https://rotenlgel.kashi-hondana.com/author/page/2843/section/38143</link>
      <pubDate>Sat, 09 May 2026 10:27:00 +0900</pubDate>
      <description>ウィーから帰国した高志のその後。
精神科病棟に入院し、どうなるのか。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　高志とエリカが、チエちゃんたちと仲良くなるにつれ、その会話も自分たちのプロフィ
ールのような話題から、患者のプライバシーや病院の内情など、噂話も含めていろいろと
話し合うようになった。
　特に中年男性の二人は、病院の内情に詳しかった。様々な噂話は、病院内という狭い世
界に閉じ込められた人間たちの唯一の娯楽であり、ストレスを発散させる手段だった。そ
の噂が真実か否かは関係ない。だって患者たちには情報を精査する方法がない。パソコン
や携帯電話などを持たせて貰えてないのだ。
　だから、あらゆる患者の話が噂となって病院内に飛び交う。それが身近な人物のゴシップ
的な噂から病院の闇まで、ブラックな噂であればある程患者たちから面白がられ広まっていく。例えば、看護師長は医院長の愛人だ、なんて噂は可愛いいくだらないものだった。
　高志は病院内で聞いた噂話を、自分なりに整理してノートに書き留めておいた。
　...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>第15章　　エ　リ　カ　の　入　院 - 幻想交響曲（下巻）</title>
      <link>https://rotenlgel.kashi-hondana.com/author/page/2843/section/38142</link>
      <pubDate>Sat, 02 May 2026 10:04:00 +0900</pubDate>
      <description>ウィーから帰国した高志のその後。
精神科病棟に入院し、どうなるのか。</description>
      <content:encoded><![CDATA[「やっとエリカの登場だ！」
　高志は、夕食のデイ・ルームでエリカを見つけて、思わずそう絶叫しそうになった。
　高志が入院してまだ四日しか経っていないのに日々疑心暗鬼に陥っていた。仮に高志の記憶が、つまりフーガと交わした久内守を救出する話やエリカの存在が事実だとしても、実際にエリカが入院してきて自分と同じ三階の病室になるとは限らないし、もしかしたら、エリカは既に二階の病室に入院しているかもしれないと、少し失望していた時だった。
　そこへ突然エリカが視界に入ったのだ。
　絶叫したくなる訳だ。
ここがウィーンだったら、街中でもエリカの元へ走っていって、熱く抱擁していただろう。熱いキスもしただろう。だが、ここは精神科病院の中にある広い食堂のようなデイ・ルームだ。自由時間だったらここで男女が自由にお喋りをしていても、誰からも咎められないのだが、今は食事の時間だった。六人掛けのテーブル三台分のスペース...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>第14章　　院　内　ミ　ー　テ　ィ　ン　グ - 幻想交響曲（下巻）</title>
      <link>https://rotenlgel.kashi-hondana.com/author/page/2843/section/38141</link>
      <pubDate>Sat, 02 May 2026 10:04:00 +0900</pubDate>
      <description>ウィーから帰国した高志のその後。
精神科病棟に入院し、どうなるのか。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　高志が久内守を探す機会は、日に三度の食事時間にもあった。
　患者たちは食事時間になるとデイ・ルームに集まり、決められた場所に整列する。
　そこへ、人の高さ程ある大きなワゴンが二台運ばれる。その中に患者たちの食事を載せたトレーが大量に積まれていた。
　そして看護師から次々に名前を呼ばれる。呼ばれた患者は優先的に食事のトレーを受け取ってから好きなテーブルに行って着席して、全員が着席するまで待つ。
　その間と、そして全員が揃って合掌してからの食事時間は、他の患者たちと自由に歓談が出来た。但しそれは、自分と同じテーブルの患者とその周りにいた患者にだけだ。それでも、もしそこで久内守を見つけ出せたら、彼と自由にゆっくりと話が出来る大きなチャンスだと、高志は考えた。尤も、もし久内守を見つけられたのなら、自由時間にデイ・ルームで会って話せばいいだけの事なのだが、高志にはそれが難しいような気がしていた。も...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>第13章　　院　内　プ　ロ　グ　ラ　ム - 幻想交響曲（下巻）</title>
      <link>https://rotenlgel.kashi-hondana.com/author/page/2843/section/38140</link>
      <pubDate>Sat, 25 Apr 2026 09:12:00 +0900</pubDate>
      <description>ウィーから帰国した高志のその後。
精神科病棟に入院し、どうなるのか。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　高志は、入院した翌日から病院のプログラムに沿った行動を義務的にやらされた。この
病院では治療の名のもと、患者の行動に対しての自由は極めて限られていた。少なくとも
高志はそう感じた。
　患者たちは、朝から晩まで何かの合宿訓練のように、矯正のプログラムに追われていた。
　朝五時半に起床して六時から病院内の早朝散歩が行わる。これは院内を十五分間ひたす
ら歩き回るのだ。金田ら同室の患者たちも、ジャージ姿のままで当然のように部屋から出
て行った。
　高志が戸惑っていると、昨日の看護師が、
「さあさあ、沖本さんも歩きますよ。今日からこの病院の日課に沿って動いてもらいますからね。」
と、声を掛け高志を連れ出した。
　廊下に出ると、大勢の患者たちが廊下を右側通行で往来していた。いくら大きな病院とはいえ、病院の端から端までゆっくりと歩いても５分と掛からない。そこを往来するのだから同じ顔ぶれを何度も見かける...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>第12章　　院　内　散　策 - 幻想交響曲（下巻）</title>
      <link>https://rotenlgel.kashi-hondana.com/author/page/2843/section/38139</link>
      <pubDate>Fri, 24 Apr 2026 19:42:00 +0900</pubDate>
      <description>ウィーから帰国した高志のその後。
精神科病棟に入院し、どうなるのか。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　高志が病室を出た瞬間から目にした院内の様子は、映画などの映像で記憶している精神病院とは大きく違っていた。その映画では、患者たちが囚人のように、鉄格子の中から手を出して不気味な表情と声で、「出してくれ～」などと訴えていた。ところが実際の精神病院は、普通の病院と何だ変わりはないなと、高志は感じた。
　歩きながら左右に続く病室のドアやそこにある名札などをゆっくりと見た。直ぐに大きなロビーが広がり、そこにはナースステーション、つまり看護師の詰所があった。
（ここが、他の患者たちと一緒に食事をするデイ・ルームだな。）
　ナースステーションでは、看護師たちが慌ただしく働く様子が大きなガラス越しから見てとれた。その光景は他の大病院と変わらないが、大きく異なるのは彼女たちの目の届く所にあるデイ・ルームの広さだ。そこは大食堂といった趣のある場所だった。実際に患者たちはここに集まって、全員で食事をするのだと...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>第11章  　　ベ　ッ　ド　の　上　で - 幻想交響曲（下巻）</title>
      <link>https://rotenlgel.kashi-hondana.com/author/page/2843/section/38137</link>
      <pubDate>Sat, 18 Apr 2026 01:43:00 +0900</pubDate>
      <description>ウィーから帰国した高志のその後。
精神科病棟に入院し、どうなるのか。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　高志は深い森の中にいた。
　聞こえてくるのは、鳥の鳴き声でも獣たちの叫びや遠吠えでもない。どこかで聞いた事のある妖怪の笑い声のようだった。
（ヒャッ・ヒャッ・ヒャッ・ヒャッ・）
　白衣を着た男の後ろ姿が薄らと見えた。
　高志は、思わず叫んだ。
「・・・フーガ先生？・・・」
　振り向いたその顔、・・・ヒグマが不気味な形相をして睨んでいた。
「ウワッ、ッ・・・ここは？・・・」
　遠雷が聞こえてきた。
　高志は、雷鳴が轟く方へ歩き出した。
「違う！あの音はティンパニの音だ。」　
　どこからとなく喚声が聞こえてきた。
　目の前に、人間の二倍程の高さはある大きな四角い造形物が現れた。
　そこへ近づくにつれ喚声も大きくなった。
　だが、人間たちの姿は見えない。
　四角い造形物の正体はギロチンだった。
　よく見ると、長い髪の人間が跪いていた。
　その頭はギロチンの首置き台にあった、その時！大きな鋭い刃...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>第十章　覚悟の帰国 - 幻想交響曲（上巻）</title>
      <link>https://rotenlgel.kashi-hondana.com/author/page/2461/section/38130</link>
      <pubDate>Sat, 07 Mar 2026 10:29:00 +0900</pubDate>
      <description>舞台はウィーン。この物語は一通の手紙から始まる。心理療法士フーガ先生の診療所に一人の日本人ヴァイオリニストが訪れる。名前は沖本高志。
彼の診療から、話はとんでもない舞台へと展開する。～ピアニスティンより猫～シリーズの約１０年後の話だと前作を読まれた方は分かってもらえるだろう。
だとしたら、フーガ先生は村科風雅だとも理解して頂けるだろう。この物語は、全編はウィーン、後編は日本のある精神科病院を舞台にして、沖本高志を中心に、あの頃の懐かしい面々が再び動き出す。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　高志とエリカは診療所の待合室で、中庭のメープルの木を見ていた。
「エリカ、あの木を見ていてごらん。そのうちきっとリスが現れるよ。」
「そうなんだ。あの木にもリスがいるのね。」
「ああ。でも今日は現れないなあ。もしかしたらエリカを警戒しているのかもな。」
「そして、そのリスは高志さんの化身かもしれないわよ。」
　エリカは笑って言って、高志は苦笑した。
　そこへフーガが診療室から顔を見せた。
「どうぞ、沖本さん。それからエリカさんですね。初めまして、村科風雅と申します。
貴女の話は、沖本さんからよく伺っていますよ。今日はよく来てくださいました。」
「あっ、和田エリカです。よろしくお願いします。あのう、私は高志さんの病気とは関
係ないと思うのですが、何故、私が今日ここへ呼ばれたのでしょうか？」
「そうですね。まあ、こちらでゆっくりとお話ししましょう。今日はお二人にとって、記憶に残る一日になるの...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>第九章　エディプス・コンプレックス - 幻想交響曲（上巻）</title>
      <link>https://rotenlgel.kashi-hondana.com/author/page/2461/section/38129</link>
      <pubDate>Tue, 03 Mar 2026 11:34:00 +0900</pubDate>
      <description>舞台はウィーン。この物語は一通の手紙から始まる。心理療法士フーガ先生の診療所に一人の日本人ヴァイオリニストが訪れる。名前は沖本高志。
彼の診療から、話はとんでもない舞台へと展開する。～ピアニスティンより猫～シリーズの約１０年後の話だと前作を読まれた方は分かってもらえるだろう。
だとしたら、フーガ先生は村科風雅だとも理解して頂けるだろう。この物語は、全編はウィーン、後編は日本のある精神科病院を舞台にして、沖本高志を中心に、あの頃の懐かしい面々が再び動き出す。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　高志は、フーガの診療所にいた。
「そうですか、さすがは沖本さんですね。エディプス・コンプレックスの話をご存じでしたか。」
　フーガは、高志からオイディプスの物語を知っていると聞いて、そう言った。
「いいえ、僕が知っていたのはギリシア神話の方で、エリカがエディプス・コンプレックスの事を教えてくれたのです。」
「それでエリカさんは、エディプス・コンプレックスを何て言われましたか？」
「父親へのライバル心だと言っていました。」
「それは去勢された息子のように穏やかなコンプレックスですね。いや、失礼。これは嫌味ではなく、エディプス・コンプレックスは父親に対するコンプレックスというよりも、去勢コンプレックスと申し上げた方がフロイトの考え方に近いのですよ。」
「また、難しそうなお話しですね。僕はギリシア神話のような単純明解、時には荒唐無稽な話の方が好きです。」
「では少しだけ荒唐無稽な私の話を聞いて...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>第八章　オイディプスの物語 - 幻想交響曲（上巻）</title>
      <link>https://rotenlgel.kashi-hondana.com/author/page/2461/section/38128</link>
      <pubDate>Sat, 28 Feb 2026 09:44:00 +0900</pubDate>
      <description>舞台はウィーン。この物語は一通の手紙から始まる。心理療法士フーガ先生の診療所に一人の日本人ヴァイオリニストが訪れる。名前は沖本高志。
彼の診療から、話はとんでもない舞台へと展開する。～ピアニスティンより猫～シリーズの約１０年後の話だと前作を読まれた方は分かってもらえるだろう。
だとしたら、フーガ先生は村科風雅だとも理解して頂けるだろう。この物語は、全編はウィーン、後編は日本のある精神科病院を舞台にして、沖本高志を中心に、あの頃の懐かしい面々が再び動き出す。</description>
      <content:encoded><![CDATA[「沖本さんは、エディプス・コンプレックスという言葉を聞いた事がありますか？」
　高志が診療室から出る時に、フーガがそのように訊いた。
「えっ、エディプス？・・・コンプレックスですか？聞いたような気もするけど、知らないに等しいです。それが何か？」
「いえ、また次の機会にゆっくりとお話しましょう。それまでは、お祖父様との思い出に背を向けないでください。」
　フーガにそう言われて帰ってきたのだった。
　そこへ、再びエリカの口から飛び出したのがエディプス・コンプレックスだった。しかもエリカは、有名な言葉だとも言った。
「それで、それはどのようなコンプレックスなのかな？」
「父親に対するライバル心よ。」
「そりゃあ、男の子は誰だって、大なり小なり父親に対してライバル心を持つさ。」
「それが並みのライバル心ではないのよ。もう父親を殺してしまいたくなるようなライバル心よ。ギリシア神話の中では本当に父親を...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>第七章　高志の祖父 - 幻想交響曲（上巻）</title>
      <link>https://rotenlgel.kashi-hondana.com/author/page/2461/section/38127</link>
      <pubDate>Tue, 24 Feb 2026 11:22:00 +0900</pubDate>
      <description>舞台はウィーン。この物語は一通の手紙から始まる。心理療法士フーガ先生の診療所に一人の日本人ヴァイオリニストが訪れる。名前は沖本高志。
彼の診療から、話はとんでもない舞台へと展開する。～ピアニスティンより猫～シリーズの約１０年後の話だと前作を読まれた方は分かってもらえるだろう。
だとしたら、フーガ先生は村科風雅だとも理解して頂けるだろう。この物語は、全編はウィーン、後編は日本のある精神科病院を舞台にして、沖本高志を中心に、あの頃の懐かしい面々が再び動き出す。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　高志が三回の自由連想法を受けた次の診療日だった。
　フーガは、高志を診察している中で、突然に祖父の話をした。
「私の祖父は、牧師だったのですよ。」
「そうですか。では、お父さんも牧師だったのですか？」
「いいえ。父は平凡な学校の先生でした。」
　フーガは、ヴァイオリニストであった父をそのように説明した。父は実際に高校の音楽教師をしていたのだから、それは虚偽ではなかった。それよりも、ヴァイオリンや音楽の話になる事で、自分が意図した高志への診療から逸脱してしまうのを避けたかった。
　フーガは直ぐに話を元に戻した。
「沖本さんは札幌の出身だと言われていましたが、ご両親もですか？」
「父は札幌で、母は東京でした。」
「ところで、沖本さんのお祖父様も札幌だったのですか？」
「祖父ですか？・・・そうですね・・・僕はあまり記憶にありませんが、確か祖父の出身は札幌ではなく旭川だと聞いた事があります。」
...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>第六章　自由連想法 - 幻想交響曲（上巻）</title>
      <link>https://rotenlgel.kashi-hondana.com/author/page/2461/section/38126</link>
      <pubDate>Sat, 21 Feb 2026 09:55:00 +0900</pubDate>
      <description>舞台はウィーン。この物語は一通の手紙から始まる。心理療法士フーガ先生の診療所に一人の日本人ヴァイオリニストが訪れる。名前は沖本高志。
彼の診療から、話はとんでもない舞台へと展開する。～ピアニスティンより猫～シリーズの約１０年後の話だと前作を読まれた方は分かってもらえるだろう。
だとしたら、フーガ先生は村科風雅だとも理解して頂けるだろう。この物語は、全編はウィーン、後編は日本のある精神科病院を舞台にして、沖本高志を中心に、あの頃の懐かしい面々が再び動き出す。</description>
      <content:encoded><![CDATA[「ただいま～。突然いなくなってゴメンね。急にプラハへ行きたくなったんだ。これ、
お土産よ。本場チェコのビールも買ってきたわよ。」
　エリカが、その辺の市場から戻ってきたような気軽な格好で現れ、普段と変わらない調子で話した。実際、お土産のビールが入っていたのは、どこかのスーパーのビニール袋だった。そしてその袋に書かれた文字はドイツ語ではなかった。つまりウィーンのスーパーの袋ではなかった。おそらくチェコ語で書かれているのだろう。つまり、エリカは本当にチェコへ行ってきたのだと高志は解釈した。
　エリカが突然出て行って一週間が過ぎていた。エリカはどこへ行ったのだろう？と心配し、このままエリカは帰ってこないのだろうかと、高志が半ば諦めかけていたのだった。
高志は一瞬怒鳴りかけたが思い留まった。そして間合いを入れて、冷静に言った。
「で、どこへ行ってきたって？」
「だからあ、プラハよ、プ・ラ・ハ。」
...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>第五章　ヒグマとリス - 幻想交響曲（上巻）</title>
      <link>https://rotenlgel.kashi-hondana.com/author/page/2461/section/38124</link>
      <pubDate>Tue, 17 Feb 2026 10:09:00 +0900</pubDate>
      <description>舞台はウィーン。この物語は一通の手紙から始まる。心理療法士フーガ先生の診療所に一人の日本人ヴァイオリニストが訪れる。名前は沖本高志。
彼の診療から、話はとんでもない舞台へと展開する。～ピアニスティンより猫～シリーズの約１０年後の話だと前作を読まれた方は分かってもらえるだろう。
だとしたら、フーガ先生は村科風雅だとも理解して頂けるだろう。この物語は、全編はウィーン、後編は日本のある精神科病院を舞台にして、沖本高志を中心に、あの頃の懐かしい面々が再び動き出す。</description>
      <content:encoded><![CDATA[「先日は思いがけない所で、先生とお会いしてお話しが出来てよかったです。」
　高志はフーガの診療室にいた。その日は二回目のカウンセリングだった。
「先生のモーツァルト毒殺説を否定されるお話しが、とても興味深かったです。」
「あれは毒殺説を否定したのではなく、犯人がサリエリとは思えない、と言ったのです。それにしても、歌劇場であのようなお話しが出来て楽しかったですよ。ところで沖本さん、貴方は現在ウィーンで音楽活動をされていますが、それに関して何かご不満をお持ちではありませんか？」
「う～ん、そうですね。不満がない、と言ったら嘘になります。ただ、生活に困らないだけの演奏活動が出来ているので、自負心は持っています。」
「そこなのですが、満足ではない自負心には心の葛藤が伺えますね。ここで、言葉遊びをしても仕方がありません。沖本さん、一つ質問しますね。沖本さんは、もし自分の性格が内向的か外向的かと問われ...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>第四章　エリカの心理テスト - 幻想交響曲（上巻）</title>
      <link>https://rotenlgel.kashi-hondana.com/author/page/2461/section/38120</link>
      <pubDate>Sat, 14 Feb 2026 18:05:00 +0900</pubDate>
      <description>舞台はウィーン。この物語は一通の手紙から始まる。心理療法士フーガ先生の診療所に一人の日本人ヴァイオリニストが訪れる。名前は沖本高志。
彼の診療から、話はとんでもない舞台へと展開する。～ピアニスティンより猫～シリーズの約１０年後の話だと前作を読まれた方は分かってもらえるだろう。
だとしたら、フーガ先生は村科風雅だとも理解して頂けるだろう。この物語は、全編はウィーン、後編は日本のある精神科病院を舞台にして、沖本高志を中心に、あの頃の懐かしい面々が再び動き出す。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　高志は、歌劇場から帰宅するとエリカは既に寝ていた。当たり前だった。帰宅時間は深夜の０時を過ぎていた。
　翌朝、エリカに歌劇場でフーガと会って話をしたと言った。エリカが心療内科のクリニックをしているフーガに、人間的な興味を持っている事を高志は感じていた。
　案の定、エリカは高志からフーガの話を聞き出そうとした。
「それで、先生とはどんな話をしたの？」
「普通に音楽の話だよ。」
「先生って、高志さんと音楽の事を話し合える程詳しいの？」
「ああ、僕より詳しいかもしれないよ。」
「ふ～ん、・・・そうなんだ・・・」
　それ程音楽に興味のないエリカには、これでもうフーガの話は終わってしまった。と、この時高志は思った。
　エリカは突然話を変えてきた。先日二人がした心理テストでの高志の反応が、予想以上によかった事にエリカは気をよくしていた。
「ねえ高志さん、動物になって。」
「えっ、なに？なに、動物にな...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>第三章　ウィーン歌劇場にて - 幻想交響曲（上巻）</title>
      <link>https://rotenlgel.kashi-hondana.com/author/page/2461/section/38119</link>
      <pubDate>Tue, 10 Feb 2026 09:53:00 +0900</pubDate>
      <description>舞台はウィーン。この物語は一通の手紙から始まる。心理療法士フーガ先生の診療所に一人の日本人ヴァイオリニストが訪れる。名前は沖本高志。
彼の診療から、話はとんでもない舞台へと展開する。～ピアニスティンより猫～シリーズの約１０年後の話だと前作を読まれた方は分かってもらえるだろう。
だとしたら、フーガ先生は村科風雅だとも理解して頂けるだろう。この物語は、全編はウィーン、後編は日本のある精神科病院を舞台にして、沖本高志を中心に、あの頃の懐かしい面々が再び動き出す。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　ウィーンは機能的な街だ。その昔、街を囲むように大きなリング状の城壁があった。そ
のリングの内側で街が発展した歴史があった。
　そのリング状の城壁は近代になって壊され、その円状の跡地がリンクという幹線道路にな
り、そこを路面電車が走るようになった。路面電車から見たリンクの内側の街並み、それは昔から現在でも変わらない。そのリンクに面した内側の一画に国立歌劇場があった。

　高志は、ウィーン国立歌劇場に一人で来ていた。いつも一人とは限らないが、大抵は一
人でオペラを鑑賞する。立ち見なら千円程度で見られる。これが席に座ると場所によって
は結構な値段になる。
　今晩はヨハン・シュトラウス作曲のオペレッタ、つまり喜歌劇の『こうもり』だった。これは「こうもり男爵」とあだ名を付けられた男爵が、そのあだ名の原因となった悪戯を画策した伯爵に楽しい復讐をするという、ウィーンを舞台にした大人の色恋が盛りだくさん...]]></content:encoded>
    </item>
    <item>
      <title>第二章　高志の恋人 - 幻想交響曲（上巻）</title>
      <link>https://rotenlgel.kashi-hondana.com/author/page/2461/section/38118</link>
      <pubDate>Sat, 07 Feb 2026 10:20:00 +0900</pubDate>
      <description>舞台はウィーン。この物語は一通の手紙から始まる。心理療法士フーガ先生の診療所に一人の日本人ヴァイオリニストが訪れる。名前は沖本高志。
彼の診療から、話はとんでもない舞台へと展開する。～ピアニスティンより猫～シリーズの約１０年後の話だと前作を読まれた方は分かってもらえるだろう。
だとしたら、フーガ先生は村科風雅だとも理解して頂けるだろう。この物語は、全編はウィーン、後編は日本のある精神科病院を舞台にして、沖本高志を中心に、あの頃の懐かしい面々が再び動き出す。</description>
      <content:encoded><![CDATA[「へえ～、その先生の名前、フーガっていうんだ。面白い日本人がいるじゃん。」
「僕たちと一緒にするなよ。フーガ先生はウィーンでも有名な先生だよ。」
　沖本高志は、自宅に戻って恋人の和田エリカに診療室での話をした。

　和田エリカとは二ヶ月前に知り合った。
　自分たちの関係を恋人というべきなのか？
　高志の中では、未だにはっきりとしていない関係だったが、男女の関係を持ち同棲までしていれば、恋人と認めるしかないだろう。
　高志にとって、エリカとの出会いは実に軽薄かつ軽率なものだった。
　高志が、観光客相手のウィーン何とかオーケストラのエキストラで、ヨハン・シュトラウスのワルツやポルカを演奏し終えて会場を出ようとしたその時、高志に声を掛けてきたのがエリカだった。
　エリカは一人でウィーン観光に来ていた。
「あ～、やっぱり日本人だった。よかった～。
　私、今朝ハンガリーから夜行列車でウィーンに着いた...]]></content:encoded>
    </item>
  </channel>
</rss>
